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9.11同時多発テロ WTC生存者ウィリアム・ロドリゲスの証言(2) 「『対テロ戦争』の欺瞞」

9.11同時多発テロ WTC生存者ウィリアム・ロドリゲスの証言(2) 「『対テロ戦争』の欺瞞」

(前半から続く)

 ノースタワーの地下から14人を救助したところで、いったん地下から脱出したロドリゲス氏。だが、すぐにビルの中に戻ることを決意する。

 「ノースタワーのマスターキーは5つしかなかったのですが、私はそのひとつを持っていました。残りの4つを持っていた人たちは救助の訓練を受けていましたが、彼らはすでに逃げ出しており、階上にいる同僚たちを助けるためには、自分が戻るしかありませんでした」

 「私は消防士とともに、1階ごとにマスターキーを使って(逃げ遅れた人を助けるため)扉を開けながら階段を上っていきました。その間も、次々と爆発音が聞こえました。消防士もこの爆音は聞いています」

 だが、上まで上りきらないうちにノースタワーは揺れ始め、二人も退却を余儀なくされることに。ビルが完全に崩れ落ちる間際、咄嗟に救急車の下に滑り込んだことでロドリゲス氏らは九死に一生を得たのだという。瓦礫の山から救出されて「君が最後の生存者だ」と言われた時には、すでに最初の爆発から4時間が過ぎていた。
 その後、危険を顧みず多くの人命を助けたロドリゲス氏をメディアは一斉に賞賛。一躍国民的英雄となった彼をブッシュ大統領が放っておくはずも無く、ホワイトハウスへの招待は通算5回にも上った。ヒスパニック系米国人の代表として、共和党からの立候補も提案されたという。
 だが、そうした期間は長くは続かなかった。生存者の立場から事件の正式な調査を要求したロドリゲス氏らに対し、大統領以下政権幹部は「必要ない。誰がやったかは分かっている」と答えるのみ。

 「彼らは次第に、私の目を見て話さなくなりました」 

 ロドリゲス氏は「あの日何が起きたのか、どうしてもそれだけは知りたい」と望む犠牲者や家族とともに「国際テロ犠牲者家族の会」を結成。メンバーらと粘り強く働きかけ、何とか政府に調査委員会を発足させるところまで漕ぎ着けた。だが、報告書に書かれていた内容は家族会をいっそう困惑させることになる。家族会が提示した160もの質問のうち、委員会の報告書は20項目にしか答えていなかったというのだ。そうした調査のもとで出された政府の報告、すなわち「2棟のWTCビルは、衝突した飛行機のジェット燃料による火災で崩れ落ちた」とする結論に対し、ロドリゲス氏らは真っ向から疑いの目を向けている。

 「私は、委員会で証言した最後の一人です。しかしビル内部の爆発について述べた私の証言は、報告書のどこにも触れられていませんでした。さらに、私と同じように爆発を聞いた27人の消防士や、地下で体の33%の部分に火傷を負い、13週間の入院を余儀なくされたフェリペの証言も取り上げられませんでした。その報告書を見た時、私達は初めて『何かがおかしい』ということに気付いたんです」

 ノースタワーで200人の仲間を失ってから今年で5年。最初に疑念を抱いて以来ブッシュ政権の動きに目を光らせ続け、この間、脅迫やPCの盗難などにも遭遇してきたというロドリゲス氏は、もはや次のような発言にも躊躇しない。
 
 「公式発表は嘘です。それを利用して、『対テロ戦争』という政治的アジェンダ(行動計画)を実行に移したのです。私達はあの9.11のテロそのものについての再調査を要求しています。日本の皆さんも(日本)政府にそう要求して欲しい。『対テロ戦争』などという言葉に、決して騙されてはいけません」


(2006-10-15)

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