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「春の小川電柱プロジェクト」 地下に眠る「渋谷川」を30本の電柱でPR

「春の小川電柱プロジェクト」 地下に眠る「渋谷川」を30本の電柱でPR

 排水溝すらあまり目に付かない原宿から参宮橋にかけての界隈に、12月に入り突如、「水源この先」と書かれた30本の電柱が出現した。かつてここを流れていた、河川の再生を目指すNPO「渋谷川ルネッサンス」の新プロジェクトで、その名も「春の小川電柱プロジェクト」だ。
 今となっては見る影もないが、実は渋谷センター街や原宿キャットストリートは、あの、唱歌『春の小川』舞台の地。約40年前まであった「渋谷川」をコンクリートで護岸し、その上に道路で蓋をしてできたのが、現在の繁華街・渋谷だ。
 今も地下では流れているこの川を、子どもたちが泳げる場所として甦らせようというのが、「渋谷川ルネッサンス」の目的。自然と都市との調和を、日本最大級の繁華街である、ここ渋谷で実現しようという構想だ。電柱を使った今回のプロジェクトもその活動の一環だが、ここに川があったことも現状十分に知られていないことを踏まえ、まず一般の人達に広く存在をPRするのが狙い。
 PRに当たって参考にしたのが、かつてパリのビエーヴル川再生事業で実際に使われた手法。舗装された水源地の上に札を立て、一般市民に向けアピールしたというこの事例に当初倣おうとした「渋谷川ルネッサンス」だったが、渋谷川の場合水源地上にあるのがマンションであることが判明。そこで代わりに考え出されたのが、かつての渋谷川流域上にある電柱30本を用い、「水源地この先」の案内を記す今回のプロジェクトだったという。
 来年2007年の12月31日までの1年にわたり行われるこのPRだが、その間、電柱に記したQRコードを使って様々な企画を実施。来年春にはこのコードを介してオリジナル・ラジオコメディがダウンロードできるようになるということだが、22日には第一弾として一般公募によるフラッシュ、GIFアニメーションがダウンロードできる「春の小川ルミネリオ」を開始。最終的に30本の作品を公募し、電柱を全て回りきるとラインナップが完成するというもので、作品は現在も募集中。詳細は主催者ホームページで。

春の小川ルミネリオ


(2006-12-15)

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