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【人物登場】2010-07-31

”節目の年”にステップアップを 尾松 不美江さん(原宿よさこい連代表)

 今年は明治神宮鎮座九十年・スーパーよさこい10周年という節目の年。開催地元のよさこい連としては、いやが上にも気合が入る。

”節目の年”にステップアップを 尾松 不美江さん(原宿よさこい連代表)

 “まほろぼの国2010”の曲名の通り、 「いつまでも美しい日本であるように」という思いを込めて、舞い踊る。本場・高知に依頼したオリジナル曲に、自ら作詞、そして「ボーカルも自分」で務めて、文字通り、先頭に立つ。
 そのオリジナル曲の前奏は「♪まほろばの国 栄え願い、よさこい舞いて 捧げます 捧げます」で始まる。続いて、よさこいの節で、「♪千代に八千代に しじまの杜で 鶴と亀とが舞いあそぶ ヨサコイ ヨサコイ」。
 最後は「♪天てらす 日の本の とわの栄え 瑞き国」で締める。
 「決して真似はしたくない」という信念で、振り付けも、ダンス専門家の協力を得ながら、オリジナルで。
 今年度の練習は4月から、週2回(土曜、月曜)のペースで本格化した。本番で踊るのは例年、100人前後だが、全員が毎回、練習に参加できるとは限らず、おおむね6割前後。
 7歳から、最高齢は76歳、男性も5人ほどいる。 加えて、“新人”も多い。
 となれば、「補習」も必要になってくる。今年の「補習」は7月31日(土)午後の2時間ほど、町内の盆踊りの前にケアコミュニティ「原宿の丘」で行い、そのまま盆踊り大会に。

 格好の初お披露目の機会は、その前の週末、7月24日(土)夕刻にやってきた。59回江戸趣味納涼大会「うえの夏まつりパレード」(台東区)に、新調の衣装で参加。岩手の「さんさ踊り」、新潟の「佐渡おけさ」など27チーム中、唯一のよさこい連として舞い踊った。最後は、JR上野駅特設ステージで、艶姿を披露。
 「巫女さん風」という、この新衣装、どこか竜宮城を思わせる。「琉球ですか」の声もかかった。
 左の袖に「原宿」と染め抜き、右袖には長寿の象徴・亀。背中には、同じく鶴が舞う。キビキビした動きとも併せて、とにかく目立ち、「カッコイイ」の声が飛ぶ。
 「よさこいの初日に、明治神宮で奉納舞いをさせてもらえるように」というのが、毎年の目標。前年に表彰された優秀チームだけの栄誉だが、去年は、第3位に相当する「高知市長賞」だけに、今年はひとつ上がって、準優勝が目標。「少しずつグレードアップするところに意味がある」として、原宿よさこい連結成10周年の来年こそは、全国から集う約100チームの頂点をめざす。
 「本番前の1週間は、ぶっ通しの練習」で、最後の磨きをかける。

 1949年大阪・南河内(現羽曳野市)生まれ。幼少期から河内音頭に親しみ、「兄も河内音頭保存会」という、代々の“お祭り好き”一家。夫の転勤に伴って、東京に来て25年。2001年にスーパーよさこいが始まり、最初は原宿1丁目町会として、ボランティアで手伝っていた。その後、町会の要請もあって、「やっぱり自分で踊るほうがいい」と、青山熊野神社で女みこしをやっていた約30人を中心に、「原宿よさこい連」を立ち上げて以降、病みつきに。
 モットーは「来るもの拒まず」。アイドルグループ「嵐」らとテレビ出演したのを見て、あこがれて来る人も結構多く、住民半分、働きにきている人など半分といったところ。「毎年、10人くらいは、全く初めての人」だが、育成リーダーも7人も配置して、8月28日(土)、29日(日)の本番までには、全国有数のレベルに仕上げる。「よさこいが縁で結ばれたカップルが、よさこいに揃って参加」となれば、諸々の苦労も吹っ飛ぶ。

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