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【人物登場】2010-08-10

「木村伊兵衛賞」をバネに、スナップに磨きかけて 梅 佳代さん(写真家)

 『梅佳代写真展「ウメップ」〜シャッターチャンス祭りin うめかよひるず』という愉快な写真展が、8月22日(日)まで、表参道ヒルズで好評のうちに開催されている。

「木村伊兵衛賞」をバネに、スナップに磨きかけて 梅 佳代さん(写真家)

 新作写真集「ウメップ」(リトル・モア刊)の発売を記念して、「東京では初のデッカイ写真展」だが、感想は「人がいっぱいでビックリ。さすが東京」。会場の随所に、挨拶やら、解説風の掲示をしてあるのだが、魚や動物などのイラストを添え、その文体と直筆の書体がまた、漫画家を思わせるような、愉快な書きっぷり。日本語では「いう」と書くべきところを、「ゆう」と表現するあたりが、「イマドキの若者」の面目躍如といったところか。
 作品もまた、日常生活の中で繰り広げられる、愛すべき光景のオンパレード。今年に入ってから撮影したスナップ写真約1500点を、ひたすら時系列的に並べている。タイトルや注釈は、特にない。
 あるのは、スナップ写真にプリントした撮影年月日。あまり見かけない撮影日時の表記だが、「スナップだから、思い出、記念に」という思いと、「整理するときにラク」という実務的な面の両方がある。

 このスナップ写真は、会期中にも、どんどん追加されていく。表参道ヒルズで撮った写真も含まれ、写真展の関係者や取材記者なども、被写体の例外とはしない。アッという間の早業だ。スナップ写真が大部分だが、このほか、実物大の大判写真やドローイング、映像など約200点も展示。映像を見るための、畳に座布団といった、くつろいだスペースや来場者の記念撮影コーナーなどもユニークと存在となっている。本人によるギャラリーツアーやゲストとのトークショー、サイン会などサービス精神も旺盛。
 人物、それもスナップ中心の歩みだが、今回は“滝”の大型写真が登場。この後、やりたいことは「鳥が鳥に餌を与える姿を望遠で」。
 とはいえ、将来のことは「ノー・プラン」。だいたい、「これまでもノー・プラン。学生時代に褒められて、”たまたま”、”あれよ、あれよ”の連続で、今日まできた」だけに、“吉本風のしゃべり方”とは別に、冷静な第三者的な眼も持っている。
 木村伊兵衛写真賞は、戦前・戦後を通じて日本の写真界に多大の貢献をした故木村伊兵衛氏の業績を讃え、朝日新聞社が1975年に制定した賞。優れた成果をあげた、その年の「新人」写真家を対象としている。その受賞者だけに、「今後」が注目されている。

 1981年石川県鳳至郡柳田村(現能登町)生まれ。大阪の日本写真映像専門学校に、「難波の寮に住んで、住之江区の学校に通って」、本科2年、研究科1年の計3年間、学んだ。在学中にコンテストで、「男子」「女子中学生」が、それぞれ佳作に。初の写真集「うめめ」(2006年)が「あれよ、あれよ」と本人も周囲も、あっ気にとられているうちに、「4000部でも多いと思っていた」のが、12万部の大ベストセラーに。これが評価され、翌2007年、写真界の芥川賞、登竜門ともいわれる第32回木村伊兵衛賞に輝く。
 写真家を志した動機は、「オリックスのイチローさんと結婚したかったから」とアッケラカン。「有名人に会えるし、交際できるかも」というのは、どうやら本音らしい。
 写真哲学は「愛をもって、シャッターチャンス」。趣味は「ミシンとテレビ」。枕カバー、巾着などは自分で作り、テレビはニュースからドラマ、お笑い番組まで何でもござれ。
 身長164造痢▲好薀蠅箸靴身人で、東京は“浅草に一人暮らし”。片時もカメラを手放さず、会う人ごとに、アッという間にスナップ写真を撮りまくる。

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