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オレオレ詐欺はなぜ減らないのか

 もう十数年前になるだろうか、原宿新聞(紙媒体)を定期的に発行しているころ、原宿署に取材にでむいた。確か原宿の犯罪件数の推移などを聞きにいったと思う。その折、副署長から「オレオレ詐欺というのが発生、被害が増えているので記事にして警鐘を鳴らしてもらえないか」と頼まれた。オレオレ詐欺。
内容をきいてそんな事件が増えるわけはないと正直思った。社会問題になったのはそれから2-3年後。いまも還付金詐欺などが減っているものの、オレオレ詐欺は減っていないらしい。いったい、なぜなのだろうか。
 欧米ではこうした犯罪は考えられない。ことの是非はおいておいて、欧米人、特に米国人は小さい子どもをベビーシッターに預け、夫婦で楽しむ時間を大切にする。自分たちを大切にする個人主義者。日本人は貧しいこともあったが、大家族で住むことをよしとする風潮が戦後からの潜在意識にあると思う。米国人は老後を子どもたちと住みたいと思う人たちは少数派で、自分たちの生活をエンジョイしようと考えている。逆説的だが、30になって親と同居、自立できない人たちは尊敬はされない。
 こうしたメンタリティーを考慮、米国に詳しい人たちに聞いてみたら、親あるいは祖父母が孫、子どもたちに安易にお金を送ることはありえないという。事実上、関知しない。親は親。子どもは子どもという考え方。
 ではなぜ日本ではこうした事案が発生、しかも減らないのか。日本のお年寄り、親たちは実は子どもたちと同居したいのではないか。ただ、東京一極集中とで、若者たちは東京で働き、めったに電話もこない。数年ぶりに助けてくれと言われたら、お年寄りたちは内心うれしいのではないか。そこを巧妙につく犯罪者たちもあくどいが、お年寄りたちの孫あるいは子どもたちを助けたいという善意を巧妙についているのも確か。犯罪防止の警鐘を鳴らすのは大事だが、実は私たちが田舎の親たちにたまに電話をかけて声をきかせることが一番大切で、犯罪を減らすことになるのではなかろうか。(2018-11-01)

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原宿新聞編集長 佐藤靖博

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