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宮下公園のフットサル場、6月オープンへ 公園内ホームレスからは不安も

宮下公園のフットサル場、6月オープンへ 公園内ホームレスからは不安も

 現在、渋谷区が宮下公園(神宮前6-20-10)に建設中のフットサル場は、この3月末にも工事完成が予定されており、6月には区民による利用もできるようになる見通しだ。
 これまで区立のフットサル場としては、幡ヶ谷駅近くのスポーツセンター内にコート1面分があったが、宮下公園に完成予定のものはより多数の利用が見込まれるため、コートも2面となる。
 各コートはともに長さ30m、幅15mとなり、国際規格の長さ38〜42m、幅18〜22mには満たない。またスポーツセンターのコート(幅16m、長さ25m)との比較では若干細長い形状になるが、近隣の民営フットサル場「アディダスフットボールパーク渋谷」(渋谷2-24-1 東急百貨店東横店西館屋上)のコート(1面)は31m×15mであり、これと同じ幅、なおかつ1m長い形状となる。
 フットサルは全国的なブームとなっており、前述のアディダスフットボールパークは予約が取りにくいほどの盛況、区立スポーツセンターのコートも土日の稼働率90%以上、平日でも70〜80%の稼働率となっている。
 宮下公園の新フットサル場はこうした利用者のニーズに応えたものとなり、区内のフットサル愛好家からも概ね好感を持って受け止められているようだ。この日、区立スポーツセンターのコートでゲームを行っていた男性(神宮前在住)は、「完成したらもちろん利用する。(宮下公園のコートは)多少狭いけど、フットサルは(日本では一般的に)国際基準でやるものではないしね」と語り、広さに関してはさほど気にしない考えだ。
 コートは3月末には完成の運びで、6月には備品の整備、オンライン予約に対応するためのプログラム修正なども完了し、一般利用も可能となる予定。
 新施設は1クラブ10人からの登録制で、利用できるのは渋谷区の在住者、在勤者、在学者。在住者と在勤者に関してはクラブ全体の2/3を占めていれば十分だが、在学者はクラブの全員であることが義務付けられる方針だ。
 宮下公園は渋谷駅から徒歩5分とアクセス至便で、地域の要望にも沿った施設と言えるが、その一方で宮下公園には、今この時点で多数のホームレスが居住しているという無視できない現実もある。公園でテントを張って生活するひとりSさんは、「さほど遠くないうちに、出て行かなくちゃいけなくなるのかもしれない、とは思っている」と諦めた口調で述べた。
 昨年、代々木公園のテント生活者約280名が都の「ホームレス地域生活移行支援事業」で家賃月3千円(2年間限定)で借り上げ住宅を与えられ、都が斡旋する仕事をしながら社会復帰を目指していることは彼も知っていたが、「いろいろ聞くと、結局月2,3回しか仕事は貰えないことも多いみたいだね。それじゃここを出てもやっていけないからね」と、不安を漏らす。
 宮下公園のフットサル場計画をめぐっては、今後ホームレスの住居問題と地域の美観維持、さらには「公園は誰のものか」といった極めて重層的な問題が浮かび上がる可能性もあり、目を放せない。

(参考)
ホームレス地域生活移行支援事業
(2006-03-14)

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