特集/コラム

【人物登場】2010-01-18

2010年は大ブレイクの予感 増田セバスチャンさん(マルチクリエイター、6%DOKIDOKI代表)

 「2010年は大ブレイクの予感」――欧米では日本のカルチャーに人気が集まり、漫画、アニメに続いて、ファッションが注目されている。  昨年夏は、アメリカ公演で「カワイイ」が話題を呼び、秋のヨーロッパ公演で、さらに輪を広げた。これを受けて、すでにパリなど海外から今秋の大規模イベントのオファーが届き、国内では「原宿=カワイイ」をキャラクターにしたコラボレーション企画の誘いが相次ぐ。映像、映画などの監修依頼も。  既存のジャンルにとらわれず、「世界の垣根を超えて発信する」のも重要な役割ととらえており、ジャパニーズ・ポップ・カルチャーの“最前衛”として、ショップのほか、「イベントや舞台、ギャラリー運営などともあわせて、独自の表現」を強めていく。  まさに、マルチクリエイター、アーティスト。

2010年は大ブレイクの予感 増田セバスチャンさん(マルチクリエイター、6%DOKIDOKI代表)

 “アメリカ進出第1弾”と銘打った「Harajuku Kawaii Experience」は2009年8月15日から、米サンフランシスコにオープンする米国初の日本カルチャー発信ビル「NEW PEAPLE」の開館記念およびJapan Townのフェスティバル「J-POPサミット」を中心に、「原宿」「カワイイ」カルチャーを世界に深く広める体験プロジェクトとして開催。ここに、「6%DOKIDOKIサンフランシスコ店」を1カ月限定で開店し、その後、ロサンゼルス、アトランタの各所でイベント、ライブ、ショーステージに物販などを組み合わせて、9月20日まで発信し続けた。
 2009年秋のヨーロッパツアーはパリを基点に、ベルリン・エッセン、ロンドン、再びパリと回り、14日間で6回のライブと2回のファッションイベントを決行。このツアーで驚いたのは「どこの街に行っても、ファンが待っていてくれた」こと。これが「われわれの活動に自信とエネルギーを与えてくれた」という。

 「ただ、物を売り買いする店」ではなく、「表現媒体としての店」として、裏原宿で活動を始めて15年。1995年、プロペラ通りに、“カワイイ”がウリのヤング女性向けショップ「6%DOKIDOKI」を、「100万円の資金で開店」したのがスタートだ。豆腐屋がオーナーのマンションの3階で、当初は食えず、「2年ほど、夜は肉体労働」で食いつなぎ、「裏原宿発“カワイイ”の元祖」として、一時は全国に5店舗まで増やした。だが、「ショップから発信の意味が薄れ、多店舗化の意味はない」として、2005年までに1店に戻した。

 この間に力を蓄え、海外から今度は“逆輸出”の感も。人気の秘密は、コンセプトの「センセーショナル・ラブリー」にある。「衝撃的なカワイさ、度を超えたカワイさ、素敵すぎるモノ・コト」を意味しており、「決して真似のできない、オリジナリティあふれるセレクトや企画」がバックボーン」。
 2010年はまず、アメリカ発の人気キャラクター「ポップルズ」とのコラボで“旋風”を巻き起こす。2月12日〜3月1日の渋谷パルコでのポップルズ展に参加し、コラボ商品の先行販売、展示のほか、世界観を融合させた空間インスタレーション作品、写真作品なども発表。これに先立つ2月11日のレセプションイベントでは、ショップガールズによるスペシャルパフォーマンス、増田セバスチャンのトークショー、撮影会なども企画している。
 展示期間中は、裏原宿の店舗内も、ポップルズ仕様に変身、渋谷・原宿の双方から、ポップルズの”衝撃的なカワイさ”をアピールしていく。

 1970年千葉県松戸市生まれ。高卒後、実験演劇・現代美術の世界に生き、今も名乗る増田セバスチャンは、そのときの芸名。「演劇は期間が限られているが、表現、発信のためには、ショップがいい」として開店した「6%DOKIDOKI」の店名には、「普通の人生より、少しドキドキする人生を」の思いが込められている。
 「現場に神が宿る」がモットー。原宿に住んで10数年、「ここに集まってくる人に育てられる」の思いも強く、「原宿に住まなくなったときが、やめるとき」だ。

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