原宿新聞

表参道に今も残る銭湯、「清水湯」

　表参道地区に昔ながらの銭湯があるのをご存知だろうか。青山通りの路地を少し入ると昭和26年創業の清水湯がぽつりとたたずんでいる。原宿・表参道界隈にも、かつて多くの銭湯があったが、今では清水湯がこの地区に唯一残る銭湯だ。
　そんな、清水湯は、常に変化し続けるファッションの街において懐かしい庶民的な昭和の時代にタイムスリップできる貴重な場所だ。脱衣場の脇の小さな中庭の池には鯉が泳ぎ、古びたマッサージチェアがあり、創業当時からの古時計がゆっくりとしたときを刻んでいる。かつては、ここの屋上から富士山を拝むことも出来たという。ＣＭや映画などの撮影場所としての依頼もたえず、松坂慶子や近藤雅彦など数多くの芸能人がここで演技を振るった。
だが、そんな清水湯も、近年、お客の年々減少傾向に直面している。それでも、経営者の大倉啓司さん（７０）は「長年通ってきてくれた常連客のためにも出来るだけ続けたい」と語った。お客の大半は地元民だが、最近では原宿に遊びに来た若い人が気軽に寄ったりすることもあるという。原宿を歩き疲れたら清水湯で体を癒す、そんな贅沢な遊び方がはやってもいいのではないか。
入浴料は、大人400円、中人１８０円、小人８０円と安い。また、100円で、タオル、ボディーシャンプー、リンスシャンプーを購入でき手ぶらで行けるのも嬉しい。定休日は、毎週月曜日で、営業時間は、午後４時〜午前０時となっている。


（2005-10-28）