特集/コラム

【人物登場】2009-12-25

世界にひとつの結婚式を 吉川 左知子さん(ウェディングプランナー)

 2009年は、11月18日に、結婚式にまつわるノウハウ本を出し、節目の年となった。結婚式場クチコミ情報サイト「ウェディングパーク」と共同監修し、池田書店からの出版は初めての経験だ。  タイトルはズバリ、「本人&両親、結婚式の段取り・お金・マナー」。婚約から挙式、新生活までの基本的な段取り、ノウハウ、しきたり、費用やマナーなど結婚にまつわる知識を紹介した。写真、イラストなどをふんだんに使った解説付きのため、きわめてイメージしやすく、わかりやすいと評判。  結婚するカップルだけでなく、その両親が気をつけなければならないマナー、しきたりも掲載するなど、配慮が行き届いている。  結婚式場の業界も、意外に古い体質。「その自由化のミッションに共感して転職した」というだけあって、思いは熱い。   得意のプラニングは、「少人数ウェディング」。カップルの意向を重視し、「100%かなえてあげようとすれば、どうしても少人数で」という。

世界にひとつの結婚式を 吉川 左知子さん(ウェディングプランナー)

このところ、結婚披露宴の平均出席人数は「60人台半ば」が一般的とされている。
 ところが、ここ数年は2極化が目立つ。大人数なら80人以上、一方の少人数はといえば、身内のみの20~30人といったところ。世の中に式場の数は多いが、その大部分は平均サイズでビジネスモデルが組み立てられていて、本人たちの“自由度”が少なすぎる。そういった実情が「業界が引きずっている古い慣行、体質」と映る。
 昨今の傾向は、「祝福されたいが、ご縁のある人だけ招いて」「みんなで楽しい結婚式に」。親の意向が強い、“見せ物的な披露宴”ではなく、自分たちで招いて、もてなしもキチンとして、「喜びを分かち合おう」というわけだ。

 海外とまったく違うのは、日本では、「結婚情報誌や、サイトを見て選ぶ」こと。それでは、式場側の事情に制約され、こちらは、式場のやれる範囲でしか、やりようがない。
 ところが、海外では、「本来、やりたいこと」を出し合い、まずプランナーを選ぶ。そのプランナーがイニシアティブを発揮して、式をつくる。
それだけ「プランナーの位置づけが高い」。
 ウェディングパークの調べによると、日本での“プランナー資格”としては、ABC協会のブライダルプランナー検定や日本能力開発推進協会(TADP)のウェディングプランナー資格などがある。
 とはいえ、“国家資格”の域には達しておらず、関係業界の間で、それほど重視されているとは、いまだ言えない。
 これもまた、本人が”燃える“大きな要因となっている。

 1973年9月、練馬区生まれ。東京家政学院短大の英語科英語専攻卒。OL生活をしていた頃、「友達の結婚式に招待されて、感激の涙を流した」のがキッカケで、「誰かのために一生懸命になれる、自分らしい仕事を」と、ウェディングプランナーを志す。
 当時は、「未経験での採用はかなりの狭き門」であったため、「ホテルの宴会サービスからスタート」し、大手のハウスウェディング会社を経て、フリーのプランナーも経験。3年前から、ブライダル・イン・プロジェクトで「業界の古き慣習の打破と自由化」にチャレンジ。「結婚を、もっと幸せに」をモットーに、「世界にたった一つのウェディングを」と呼びかける。
 「下町が好き」で、柴又、門前仲町などを散策するのが趣味。血液型はAB型。性格は「冷めている」と自己分析しつつ、「いつか自分の結婚式を」。

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