特集/コラム

【人物登場】2010-05-28

「ワールドシフト」で住みよく平和に 野中 ともよさん(ワールドシフト・ネットワーク・ジャパン理事)

 「ひとつひとつ、具体的に政策提言できるようになれば・・。そのキッカケができれば幸せ」と、いま感謝の気持ちで、ボランティア的な活動に力が入っている。

「ワールドシフト」で住みよく平和に 野中 ともよさん(ワールドシフト・ネットワーク・ジャパン理事)

 このところ、NPO法人や任意団体をいくつも立ち上げ、今春は大きなイベントに、主導的に関わってきた。
 たとえば、神宮の杜を舞台にした「アースデイいのちの森」では実行委員長を務め、国連大学での「ワールドシフト・フォーラム」では、最初から最後まで出ずっぱりで、“総合コーディネーター”の重責を担った。
 そのどちらも、「環境」「社会」への問題意識で、共通している。
 「アースデイいのちの森」は、明治神宮と原宿表参道欅会の特別協力で実現。今秋10月、名古屋で開催されるCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)のパートナー事業でもある。賛同者が集まり、「ヒト・モノ・カネ」のすべてを持ち寄って“地球への奉納の祭”として、運営してきた。
 だからこそ、明治神宮も通常は使用を認めない、芝生広場を開放し、また、公認のNPO法人「響」も参加して、成功に向けて尽力した。
 「アースデイ」(地球の日=4月22日)は今年、世界で40年、日本で10年の節目。“いのちの森2010”も、春だけでなく、「1年を通じて感謝できる催しへと、発展させたい」という思いが強い。

 「ワールドシフト」は2009年9月、世界的な金融・経済危機と環境問題に対応するために、アーヴィン・ラズロ博士らの世界賢人会議「ブダペストクラブ」が、持続可能で平和な社会への転換(ワールドシフト)を緊急提言したことから始まった、世界的なムーブメント。
 アースデイ東京実行委員会との共催で、4月24、25の両日、表参道の国連大学、ウ・タント国際会議場を会場に、30人におよぶプレゼンターが、それぞれの視点から発した提言は、「日本におけるワールドシフトの始まり」を感じさせた。
 かねて申請中だった社団法人ワールドシフト・ネットワーク・ジャパン(港区南青山3丁目)は、第1回ワールド・シフト・フォーラムの直前、4月19日付で認可された。
 創立理事として積極的にかかわり、ここを重要拠点として、今後はワールドシフト・ムーブメントが、次々と展開されていく。

 NHK、テレビ東京などジャーナリズムの世界で活躍の後、日興フィナンシャル・インテリジェンス理事長、アサヒビール、三井不動産など企業の社外取締役や経営顧問を歴任。2002年6月から三洋電機取締役、2005年7月〜2007年3月同社代表取締役会長を務めて、苦労も味わった。
 また、科学技術庁顧問、財務省、文部科学省など政府審議会委員や、日本体育協会理事、太陽光発電協会代表、産業技術総合研究所・JAXAなどの経営諮問委員を務める。
 2007年8月NPO法人ガイア・イニシアティブを東京・青山に設立、代表を務める。ほかに、金融知力普及協会にも関わり、設立準備中のKIZUKI基金にも、理事として加わる。
 著者に『私たち「地球人」』(集英社)「心をつなぐ生き方」(サンマーク出版)など多数。
 「そのときどき、ご縁のあった所で、”ハタをラクにさせる”ために働いてきたが、自分は何も変っていない」という。「よりよい未来をつくることに貢献」「曲がったことはしない」を哲学に、活動領域はますます広がっている。

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