特集/コラム

【人物登場】2010-06-03

ファッションとカルチャーを融合させて マリエさん(マルチタレント、デザインディレクター)

 モデル、マルチタレントのマリエが、アーバンリサーチから、オリジナルライン「DiDi via ROSSO」を立ち上げ、デザインディレクターとして新たなスタートを切った。

ファッションとカルチャーを融合させて マリエさん(マルチタレント、デザインディレクター)

 クリエイティブ・ディレクターという名称なら、デザイナーが就任したりして、珍しくもないが、“デザイン・ディレクター”とは、聞き慣れない。「自分は、デザイナーではないし、頭の中にあるイメージを説明して、助けを借りないと表現できないから、デザインのディレクションをする人」と、謙虚に説明する。
 「洋服のデザインをしてみたいと、事務所でいつも言っていた」ところ、それがアーバンリサーチ(大阪市、竹村幸造社長)の耳に届き、今春からのコラボレーションに至った。
 「大人の女性が着て、カッコイイ、セクシーな服」を目指し、それを「“露出”とは違う表し方で、表現したい」という。その思いが、つや感のある無地の素材に、シンプルな色とデザイン、ドレープ感に富むシルエットで、大人っぽさを特徴とする新オリジナルライン「DiDi via ROSSO」に、しっとりと滲み出ている。
 「もっと子どもっぽい、派手なデザインに期待した人も多くて、残念に思ったファンもいたはず」だが、「新しいファッションとカルチャーを融合させた、新しいディレクション」をめざす。「写真展とか、イベント感覚のディレクションもやりたいし、ネットを使って情報発信できたら」ともいう。

 「フォーエバー21」や「H&M」といったファストファッションが人気の世相をみて、「可哀相な女の子が増えているな」と感じる。自分たちが10代のころは、「ヴィトンの財布が欲しいとか、憧れを持って、バイトも必死で頑張った」。それが今では、「簡単に、これでいいや、と買えるような商品があふれていて、向上心が薄れ、可哀相」なのだ。
 今秋冬では、もっとカジュアルダウンして、ユニセックスの服を出すつもり。メンズのショーを見るのは好きだが、「ゲイっぽいか、ものすごく高いか、ジーンズメイト的か」といったあたりが、気にかかる。
 そこで、「ひと味違うものを」となるわけだが、、ユニセックスとはいえ、事実上は、もっとメンズ寄りの新ジャンルの商品が登場しそうだ。
 さらには、「写真展とか、イベント感覚のディレクションもやりたいし、ネットを使って情報発信できたら」ともいう。
 こうして、夢はさらに広がっていく。

 1987年6月20日、東京生まれ。カナダ人の父と日本人の母との間に、玉木・パスカル・マリエとして生まれ、日加双方の国籍を持つ。中学からアメリカに学び、シカゴの高校では写真コース。今も趣味は「暗室作業」といい、モノクロの写真を暗室にこもって、フィルムから自分で焼き付けるという本格派だ。一時は写真家の道も考えた。
 事務所はレプロエンタテインメントに所属し、「ViVi」(講談社)の専属モデルを務める一方、フジテレビ「笑っていいとも!」「限定品コラボネーゼ」「プレミアの巣窟」、TBS「アッコにおまかせ」などにレギュラー出演。TVドラマでは、フジテレビ「TOKYO本音モデルズ」で藤井リナとダブル主演もしたが、「女優は、できない」。
 “マルチタレント”という名乗り方で、「器用貧乏だから」と謙遜するあたりは、並みの女性タレントとは、ひと味もふた味も違う。
何しろ「自分に自信がないから、頑張れる」「補っていく努力で、綺麗に、いい人間になれる」を信条とし、「一病息災」の意味も理解できる。
 カナダと日本のハーフだが、“イマドキの若者”には珍しい、「日本人以上の日本女性」といえそうだ。

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