特集/コラム

【人物登場】2010-09-02

「もし生きていたら」と龍馬に思いを馳せて 坂本 龍馬さん(主婦の友社「RYOMA」編集長)

“女性目線でつくった歴史物雑誌”という主婦の友社発行の「RYOMA」が、折からの“龍馬人気”にも乗って、評判となっている。いきおい、その編集長にも、注目が集まっている。

「もし生きていたら」と龍馬に思いを馳せて 坂本 龍馬さん(主婦の友社「RYOMA」編集長)

 名刺には、「期間限定誌『RYOMA』編集室チーフプロデューサー 坂本龍馬」とある。あの幕末のヒーローと同姓同名だが、レッキとした本名。「他にもいるらしいけど、まだ会ったことはない」という。
 「高知出身の父親が、龍馬ファンで」というわけだが、自身も負けてはいない。「実は、娘の名前は、“お龍(りょう)さん”といいまして・・」。
 "女性目線の歴史雑誌“というだけあって、A4版の「RYOMA」は、グラビアも多用し、ほとんどオールカラーに近い。そして、題字は、あの人気書道家、武田双雲の筆。「行動する!旅する!遊ぶ!歴史エンターテインメント・マガジン 坂本龍馬責任編集」と銘打ってアピール。ゆかりの京都のマップなども付いている。
 テーマも「龍馬と愉快な仲間たち」「噂の真相」、そして直近の第3号では、ズバリ「龍馬と女たち」。お龍さんをはじめ、「龍馬とかかわった女たち」が多数登場するのだが、モテモテの龍馬の魅力を、現代の女性・各界の著名人たちが、「女から見た『龍馬という男』を語る」という趣向だ。表紙のイラストは、高知出身の西原理恵子さんが描き、「高知の典型的な男、サイバラさんの龍馬論」を華麗に展開している。

 チーフプロデューサーの仕事は、何も雑誌の編集長だけではない。「せめて、月1回は」と、各界とのコラボレーションで企画してきた、龍馬イベントもそのひとつ。そのコラボ相手が、また、型にはまらず、個性的。
 たとえば、8月28日(土)のファン交流イベント「龍馬ナイト」の開催場所は、外人客が8割というサクラホテル併設の「サクラカフェ神保町」。神田の本屋街に位置し、当日の模様は、Ustreamで生中継を仕掛けるなど、海外への夢を馳せていた龍馬を、どこか思い起こさせる。 ちなみに、この「龍馬カフェ」では、その後も龍馬にまつわるオリジナルドリンクを販売し続けている。
 そして、次回の龍馬イベントは9月12日(日)の午後4時から、浅草アミューズミュージアムで。テーマは「龍馬、幕末をくわしく知ろう」。
 ところで、「RYOMA」の次号の発行は9月下旬の予定。テーマは「龍馬暗殺」だが、歴史的事実とはいえ、「もし生きていたら」の視点で、"未来志向の特集”、というところがミソ。
 そして、NHK「龍馬伝」とともに歩む「RYOMA」も、この第4号をもって終了。となる当初予定ではあったが、「もう1回出してから」に変わってきた。昨年の今頃は、「やりたくなかった」編集長だが、自分自身が大きく変わってきた。

 1972年東京・町田生まれ。「よくあるスポーツ推薦」ではなく、一浪して明治大学政治経済学部に進み、サッカー部でミッドフィルダーとして鳴らす。1995年4月、主婦の友社に入り、販売部、広告部、新規事業開発部、国際部などを経て2007年、上海へ単身赴任。昨年8月、帰国してみると、「来年のNHK大河ドラマは『龍馬伝』、これに合わせて雑誌を出そう、という話が盛り上がっていて、乗せられまして・・」と苦笑い。
 以来、「プロジェクトには6、7人いても、専任は自分ひとり」という「RYOMA」編集室を率いて、すでに3号まで発行、イベントも多彩に盛り上げてきた。
 哲学は「仕事も楽しく」。サッカーでは「カナダのセミプロの試合にも出た」が、「今は東京都リーグレベル」で楽しむ。
 栃木県小山市から、千代田区お茶の水の本社まで新幹線通勤。「妻子を小山の妻の実家に預けて、上海に単身赴任している間に、子供たちが幼稚園、小学校に進んでまして・・」。
 「RYOMA」が終われば、「国内は景気も悪いし、中国に戻って、日本のファッション誌とか、発行したい」。

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