特集/コラム
おもしろ”プライベート名刺”に外人からも人気 ケイワンプリント（新宿区西新宿）
プライベート名刺」がこのところ人気を呼んでいる。ビジネスシーンだけでなく、趣味の場や主婦・女性・シニア層、昨今は“就活用”用も急増。中でも注目されているのが、外人用。「トム→富夢」「ジョン→侍四」というように漢字を当て、ユニーク名刺で日本文化を楽しもうという“シャレ心”がみられる。
「出会いを大事に」「コミュニケーション・ツールに」「印象づけたい」など、動機は様々だが、デザインはバラエティに富み、個性にあふれている。中には真四角のミニ名刺、バーコ・エンボス加工などの特殊加工名刺、切り絵加工の入った切り絵名刺、ダンボール名刺・・。そして、裏原宿でグループ会社が経営する「デザインフェスタギャラリー」に出展するような新進デザイナーたちが取り組むクリエイター名刺など、個性豊かなデザインが目立つ。
加えて、６人の制作スタッフが毎月打ち出す新作名刺は、「シンプルだが、静かに個性を出したい」というユーザーに好評だ。たとえば、川崎市在住で、エッグアートを教える山口友子さんは、その一方でオフィスの賃貸も手がけており、この２つの立場を使い分ける必要から、草花をモチーフにした、控えめに個性が光る上品なオリジナルデザインを選んだ。
今年に入って本格化したのが、7月からの「親子名刺」、9月からの外人向け「漢字で名前名刺」、11月からの「ペット名刺」・・。英語対応可能なスタッフが常駐、外国人の反応は「カッコいい！他の人とは違う名刺ができて嬉しい」「自分の国では絶対に手に入らない貴重な名刺」「漢字だと、日本人にも名前を覚えてもらいやすい」など。モノクロで100枚945円（税込み）から、カラーは2205円からという価格設定も、“親しみの要因”か。
漢字名刺の外人ユーザーは、1にアメリカ、2にフランス、3にイギリス。男性70％、女性30％の割合という。「海外でも買えるようにして欲しい」という要望については、「今後の検討課題」という。
西新宿の別の場所で創業した1998年から10年余りは、いわゆる“普通の名刺屋さん”だった。それが、2003年にオンライン通販サービスを始めてから、プライベート名刺も増え始めた。取り組み歴史の浅いシリーズも含めて、これらのプライベート名刺は、この7年のうちに、同店全体の4割を占めるに至っている。いわば、プライベート名刺とオンライン通販が、成長を支えたといっても過言ではなさそうだ。
2008年９月のリーマンショック以降、ビジネス名刺に翳りが見えるようになった。その巻き返しの意味もあって、昨今は“アイデア名刺”の開発に、いっそう力が入っている。今の事務所はK-１ビルの4階だが、前方部分が注文受け、完成品のデリバリーなど、来店客を応対するショップの位置づけ。オンライン通販が8割を占めるに至った現在でも、重要拠点であることに変わりはない。
・所在地＝新宿区西新宿7-2-6 西新宿K−１ビル4階
・電話＝03-3369-7120
・営業時間＝平日9:00〜18:00
土日9:00〜17:00
祭日 休み