特集/コラム

【人物登場】2010-12-02

衣料リサイクルで環境保護へ 佐藤 隆俊(シブヤ大学授業コーディネーター、写真家)

 「街がまるごとキャンパス」「誰でも先生、誰でも生徒」をコンセプトに、渋谷のいたるところで“授業”をおこなっているシブヤ大学。その魅力に取りつかれて4年、いま授業コーディネーターとして、衣料回収イベントを通じた繊維リサイクルの仕組みづくりに情熱を燃やす。

衣料リサイクルで環境保護へ 佐藤 隆俊(シブヤ大学授業コーディネーター、写真家)

 シブヤ大学の授業には、随所に“シャレ心””遊び心“が顔を覗かせている。11月28日(日)から正式に、前期通常講座として始まった「衣料循環ゼミ」にしても、今年1月23日の授業「シブヤ油田ヲ発掘セヨ」でのグループディスカッションが起源。不用になった衣料を”石油”に見立てて、眠っている衣料は“油田”と同じ。ならば、ファッションの街・渋谷で、“油田”を探し、循環可能にしていこうというシャレだ。
 この発想から衣料回収イベントが始まった。中心となったのが「油田開発部」の6人。日本環境設計(渋谷区恵比寿)の協力で勉強を重ね、ゴールデンウイークには茨城県の衣料製品回収センターの見学会も実施した。
 そのチーム名を「あぶらでん」という。油田と書いて「あぶらでん」と読むJRの駅が富山県にある、というわけでチーム名が生まれた。
 9月18日(土)の文化祭で、回収イベントをやってみると、短期間の準備でも原宿エリアから255キロも集まった。「待ってました」の反応に気をよくし、ならば持続的にいう思いが、11月からの3回連続講座につながっていった。

 この「衣料循環ゼミ」の目的は、資源循環の仕組みについて調査・研究すること。だから、回収は“実証実験イベント”と位置づけ、持ち込んでくれた人にアンケートで意識調査も。衣料はペットボトルなどとは違って、まだ回収が義務づけられていない。焼却でも資源化でもコストはかかるが、それをどの程度まで負担できるか、といった項目もある。もうひとつは、来年1月までの3回の回収で、何鼎らい集まるのか、といった量的なデータ集積。ちなみに11月28日の回収1回目には54組・60人以上が持ち込み参加し、14粗りダンボールに合計39箱。まだ使える衣料はリメイク、リユースし、使えないものはバイオエタノールへと再資源化していく。
 このシステムづくりと併せて、原宿で蜜蜂を飼育し、自然環境保護の一翼を、という構想にも夢を馳せる。

 さとう・たかとし 1953年兵庫県宝塚市生まれ、父親の転勤に伴って小学校時代は大阪府茨木市、中・高は三重県四日市市で育ち、大学は日大芸術学部映画学科へ。「映画のカメラマンになりたい」という夢は、「写真をやっていた先輩の助手についた」のが縁で、写真家の道へ。
 1995年に独立。主な仕事は「照明が難しい」という、時計・カメラ・機械類などの「ブツ撮り」。カタログ、雑誌などに写真を載せるわけだが、昨今は「自転車が増えている」という。哲学は「好きが高じて仕事になる」。
 「手回し蓄音機とレコードの収集」が趣味。シブヤ大学とは2006年、開講時の「押忍!手芸部」の授業が縁でかかわり、2008年9月には手回し蓄音機で自ら講師に。作家でシャンソン歌手でもある戸川昌子さんのシャンソンシアター「青い部屋」での授業を成功させて、授業コーディネーターに。シブヤ大学での”先生”経験を活かして、来年1月1日の夕刻には、帝国ホテルで、蓄音機でのレコードコンサートを開く予定だ。

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