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【エリア特集】2006-01-20

パリ、冬のSOLD一斉解禁

恒例の冬のソルドが解禁

パリ、冬のSOLD一斉解禁

ついに恒例の冬のソルドが解禁した。通常冬は1月2週目の水曜日から4週間程で、夏は6月半ばから7月まで続く。今年の冬のソルドは1月11日から2月の8日だ。何ゆえ初日が水曜なのかは定かでないが、フランスは映画の封切も水曜である。初日は、大手デパートは朝8時から夜8時の閉店まで12時間体制となり、正午前後は昼休みを利用して出向く人たちも加わり活気が増す。

最初のウイークエンドは開店前から並ぶ人もいるが、日本の人口の半分程のフランスでは押し合いへし合いのバーゲン会場のような殺気はなく、結構のんびりと品定めを楽しむことができる。昼ごろには大きなソルドの買い物袋を2つ3つ手にした買い物客が通りに出回り、カフェで戦利品を脇に一休みする風景をあちらこちらに見かける。

ブティックごとに趣が異なるのもおもしろい。手ごろな値段、豊富な色と形、使い心地の良さから年齢を問わずパリジャンヌに定評のあるロンシャンでは、定番の商品を除き冬の商品を本店内のフロアにソルドとして置いている。今期は山吹色や紫、グリーンといった鮮やかな色使いのものが多く、丈夫さと種々の大きさで定評のある布製のトートバックや機内持ち込みのキャリーオンなどが目立つ。革製品では小物やベルトなどが30%、40%と値引きしてあり顧客の購買欲をそそる。ちなみに私は、秋必要に迫られ買い求めたバッグが30%割引で出ているのを発見し苦笑してしまったが、そのときもらったカタログで欲しいと思っていた商品が最後の一品になりこれまた30%引きで出ていて、ニッコリ。ということで今のところ成績は一勝一敗である。

一方格も桁も違うエルメスは、本店にはソルド商品をおかず特別会場を設置し1週間に限定してソルドに臨む。しかも時間帯が月曜日から金曜日の10時から18時と限定されておりほかのブティックよりも厳しい条件だ。初日は3時間並んだ人もいたとガードマンの談。まず入る前にエルメスの商品を身につけていないか申告し(会場を出る際もバッグの中など検査を受ける)、会場の扉が開き前進すると、そこは人とスカーフ、ネクタイのシルク製品、手袋、ベルトといった皮革製品や衣類等で埋められている。商品の種類は限られていたが、会場からはロゴ入りの袋を手にした人が続々と出ていく。

この時期、お店によっては数日前には出ていなかったものが新たに出されていたり、個人のブティックでブランド物等を仕入れているところでは通常定番で割り引かない商品がソルドになっていたりする。また4週間続くので最後の方にはソルドに出す商品がなくなり、ついには定番のものをしぶしぶソルドに出してしまう店などもあり、気に入ったお店には足しげく出向き運を待つのがコツと言えるかもしれない。

ところでソルドに関しては、規制も結構厳しく当局も監視官を派遣して、もともと安価な商品をバーゲン用に仕入れそれをソルドに出していないかどうか抜き打ちチェックを入れたりする。また経済活性化のためにもソルドを年2回のみでなく回数を増やしたらどうかという議論も持ち上がっているようだが行く末はまだ定かではない。

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