特集/コラム
世界一巨大な写真集を買う人は
「タッシェン東京 テンプストアー」 5月31日まで
世界90カ国以上にファンを擁する美術書出版社「タッシェン」の専門店が、表参道ヒルズ西館にて「タッシェン東京 テンプストアー」として期間限定（5月31日まで）で展開されている。
「TASCHEN（タッシェン）」は1980年、ドイツのケルンにて
誕生したアートブック主体の出版社。絵画、建築、写真、広告デザイン、
映画、ファッションなど幅広いジャンルにわたる美術書を世に送り、
今日まで90カ国以上、20を超える言語で販売されている。
同社はこれまで、ケルン、パリ、ロサンゼルス、ニューヨークに
路面店をオープンしてきたが、先月11日に東京進出の足がかりとして、
表参道ヒルズに5月末までの期間限定のショップ、
「タッシェン東京 テンプストアー」をオープンしたものだ。
珍奇な標本の収集で知られる18世紀オランダの植物学者、
アルベルト・セバの図鑑をモチーフにした店内には、500円の
ポストカードからマニアでも容易に手が出せない希少本まで、
100種以上の品が揃う。
何といっても目を惹くのは、店内奥に置かれた一冊の
巨大な本だ。サイズにして50×70cm、重さ約30kg、ページ数464の
この本は、実は「世界一巨大な写真集」としても知られる、
米国の写真家ヘルムート・ニュートンの作品集
” Helmut Newton's SUMO”。世界で1万部しか刷られておらず
価格も78万7千円と破格だが、開店以来今日までの間に、
真剣に買うか買うまいか悩んだお客さんが約一名いたそうだ。
とはいえ、もちろん一般の美術ファンの手が届く商品も数多く
揃えており、1,500円の画集などは特によく売れるという。
なお、ルネサンス期の巨匠から現代ポップアートの鬼才までという
幅広いラインナップの中で、表参道の来街者に最も支持されたのは、
騙し絵で有名なエッシャーだということだ。
店舗のスペースは決して広くはないが、限られた空間の中に
美術の歴史が凝縮されたような楽しさがある。数々の美術書を手に
とって眺めることができるのも嬉しい点で、5月31日までの期間限定
というのが惜しまれる。
オープン期間：2006年2月11日（土）〜5月31日（水）
場所 ：渋谷区神宮前4-10-12 表参道ヒルズ西館
電話 ：03-3499-4509
営業時間 ：11：00−21:00 期間中無休