特集/コラム

【エリア特集】2006-07-04

=パリの7月=
ワールドカップでブラジルを破ったフランス

急に30度前後の真夏を向かえたパリでは、先週の水曜日から恒例のソルドが始まった。例年になく夏の到来が遅く夏服の需要が少なかったせいからか商品がはけなかったらしく、いきなり50%、60%引きで売りさばこうとするブティックも少なくない。

=パリの7月= ワールドカップでブラジルを破ったフランス

同じ週の土曜日には、サッカーのワールドカップでフランスが優勝候補のブラジルを破って街じゅうが賑わった。大方の予想がブラジル優勢で、ワールドカップ後引退するジダンの最後となるであろうはずの試合を見逃すまいと、自宅で友人たちとテレビ観戦した人々が大半だったようだ。おかげでレストランはガラガラ。当方は昨年の7月14日フランス革命記念日に映らなくなって以来今のところテレビを置かない主義を貫いているため、テレビのある近所のアラブ系のオーナーのイタリアレストランで特等席を陣取り観戦した。シェフまで同胞のジダンを応援しに出てきて、テレビの前で「アレー、アレー」(行け、行けというフランス語)を連発し、アラビア語やフランス語も交えてわいわいと盛り上がり、スタジアムで観戦しているかのような臨場感を味わうことが出来一興だった。一方、隣のホテルの外国人泊り客やフランス人のおば様組はさすがに興味がなかったらしく、外のテラス席で遅くなりがちなサービスに耐えながら夕食をとっていた。

勝つとは思っていなかったこの試合の勝利に、通りは試合直後の夜の11時頃、クラクションを鳴らす車で賑わい、シャンゼリゼは50万人の人手となった。誰もの頭の中にもおそらく8年前の優勝のイメージが蘇り、今週もまた湧くことであろう。フランスTF1のテレビ視聴率は57%で、開局以来の180万人を記録した。

ちなみにその翌日7月2日からはツール・ド・フランスが始まり、その影響か自転車競技用のスポーツウエアをまとった人々が颯爽と風を切って週末のサイクリングを楽しんでいる姿が多く見られるようになった。

学校も6月末で夏休みを向かえ、今週から第一陣がバカンスに出かける。次のバカンス族の波は革命記念日の14日後だ。暑さの到来と共にパリも本格的な夏を迎える。 7.3.2006 (N. Suzuki)

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