特集/コラム

【エリア特集】2006-10-30

パリの街角散策:シテ島

多くの土地の歴史が川のそばから始まるように、パリの歴史もセーヌ川のほとりから始まる。ノートルダム寺院で知られているセーヌ川の中洲のシテ島だ。

パリの街角散策:シテ島

古代から中世、そして革命を経て発展してきたパリを知っている地だ。ケルト人であるパリサイ人が住みついて以来、ローマン人の侵入など変遷をたどりながら経済、文化、交流の基点として発展してきた。

その後14世紀ごろになると本格的な城が建てられ、その片鱗は裁判所(Palais de justice)や、革命の際多くの死刑囚を収容していたコンシェルジェリー(Conciergerie)と呼ばれる牢獄でマリー・アントワネットも拘留されていた建物にも残っている。

この悲劇の王妃がコンコルド広場の絞首刑台に立つ何時間前まで過ごしたコンシェルジェリーは、当時の様子を再現した部屋やこの悲劇の王妃が拘留されていた場所も保存されていて、資料などを見ながら見学すると革命当時を想像することが出来る。

また、この一角にはサン・シャペルと呼ばれる360度ステンドグラスで囲まれた教会もあり、喧騒としたパリの中にあるとは思えない静寂を感じさせてくれる貴重な場所のひとつとなっている。小さいが、ステンドグラスから射す夕日を感じながら物思いに耽る時間を与えてくれる。

中に入ると外からは想像できない空間で、時代の移り変わりをたどりながら時間を過ごすのもまた楽しい。2006.10.27 (N.Suzuki)

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